労務相談から解決に至ったとき、
「ありがとう」という言葉を
もらうときが一番嬉しい。
労務管理部 部長
岩野 浩昭

- --業務内容を教えてください。
- --お客様の労務相談が主な対応業務です。一課の課長の立場なので、進捗確認、業務改善の提案等も担当しています。
- --具体的にはどのようなご相談が多いですか?
- --労務トラブルが多いです。例えば直近だと、入社式や入所式に新入社員が来ないというトラブルの相談がありました。そこで実際に本人に連絡を取ってみると、「事故を目撃してしまって、警察に目撃証言をしなくてはいけないので あと 1,2 時間ほどかかってしまう」という(ふたを開けてみると)虚偽の報告がありました。 しかし 1,2 時間経っても来ないので再度連絡してみると、「時間が経つと出社する気が引けてきて、コンビニのお手洗いにこもっていた」ということが分かりました。そこでどうしようかという相談でしたが、会社はトラブルになる可能性があるので、解雇にしたくはないのです。18 歳の高卒の方なのですが、結局お母様と話し合い、今後どうするのかということをちょうど今進めているところです。 正社員ではなくアルバイト・パートにするのかという提案をしたり、本人から辞退するという申し出があれば、それで終わりとなりますので、そういうスト ーリーを作ってあげるような立場が私たちです。 企業側が「入社させられない」という発言をすると、書面で出していなくても「解雇」ということになり、そこからトラブルに繋がる可能性があるので、「絶対に言葉でそれは言わないでください」というアドバイスをしたりします。 また例えば医療・介護業界だと人手不足なので、面接に人が来た時点で即採用になることが多いのですが、ふたを開けてみれば統合失調症だった、ということもあります。ですからうちでは最初からフィルターをかけるために面接調書を取ったり、持病に関する申告書を本人に提出してもらったりしています。 それでも採用するというクリニックや介護施設もありますが、それはリスクを承知で採用するということになりますので、そういった提案をすることもあります。
- --労務トラブルは数として増えてきているのでしょうか?
- --やはりそういったフィルターをかけることをしているので、弊社では少ないほうではないでしょうか。昔のような「言って聞かせればいい」というやり方では通用しなくなってきているお客様がうちを選んでくださっているので、今の世の中の流れやルールを説明した上で、アドバイスを受け入れてもらえるお客様が多いので、その通りにやってもらえるとスムーズに解決することが多いです。
- --他の社労士事務所でもそういったサポートがあるのでしょうか?
- --私は新卒でこの業界に入ってずっといますが、知る限りでは恐らくないと思います。以前いた事務所では、正直言って「手続き屋」というイメージでした。いろいろな手続き関係を担当するだけで、トラブルがあった際に解決はできません。そういう事務所が多いのではないかと思います。 こちらに入って初めて周りからいろいろな手法を伝授してもらい、今はある程度自由にやらせてもらっています。
- --顧問契約の継続率はどうでしょうか。
- --継続率は高いです。今回法人化しても、あまりお客様の数は減っていません。
- --どういう思いを持って今の業務にあたられていますか?
- --手続きに始まり、労務相談から解決に至ったとき、「ありがとう」という言葉をもらうときが一番嬉しいです。それは私自身もそうですし、部下に教え るときも同じです。ここ 2,3 年は、その「ありがとう」をもらうために走り回 っていたのだと感じます。