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業務委託を行っている配達員が労災認定を受ける

直近のニュースで下記の内容が明らかになりました。

 

インターネット通販大手のAmazonと業務委託契約を結び、荷物の配達を行っていたものが、配達中、転倒し大けがを負いました。契約上は【業務委託契約】ではあるものの、労働基準監督署は労働者災害補償保険法(労災保険)上の【労働者】と認めて休業補償の給付の支給を決定しました。

つまり、実態としては個人事業として業務を行っていたのではなく使用者に雇われ、労働をしていた者と判断された形です。

 

業務委託と雇用(労働者)

 

業務委託とは

① 当事者の一方が、ある一定の仕事を相手方に依頼し、
相手方が【自己の裁量と責任において】その仕事を行うこと。
② 個人が企業等から労働契約以外の役務提供契約により委託を受け、自営の携帯で業務を行い、
報酬を受け取ること。

 

では雇用契約(労働者として働く)とはどのようなものか。

 

労働基準法での【労働者】とは

 

職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われるものをいう(労働基準法第9条)
※労災保険法上の定義も同様となります。

現在、労働者性を見る判断として【使用従属性】があるかどうかが基準となる。
使用従属性が認められる具体的な要素として

 

① 仕事の依頼・業務従事の指示等に対する諾否の自由がない

② 業務遂行上の指揮監督の程度が強い

③ 勤務場所・勤務時間が拘束されている

④ 報酬の労務対償がある(報酬が仕事の成果ではなく働いたことそのものに対するものである場合や、報酬が時間給や日給によって定められている場合を指します)

⑤ 機械・器具が会社負担によって用意されている

⑥ 専属性がある(その会社の仕事しかしない)

⑦ 就業規則等の適用がある

⑧ 給与所得として源泉徴収されている

⑨ 退職金制度、福利厚生制度の適用を受けることができる
などが挙げられます。

 

今回の事案は結果として、配送を行う上で、配達する荷物の量や担当エリアなどをAmazonが管理する専用アプリを通じて指示されるなど【自由裁量がなく、実質的には指揮監督を受けていた】と判断され、労働者として労災認定されることとなりました。

 

労働者として認定されると

① 雇用保険・健康保険・厚生年金・労災保険等の加入が必要になる。
② 年次有給休暇を取得することができる
③ 労働基準法に基づき、残業代の請求ができる
④ 解雇等の労働契約の解消には、厳しい制約があるため、身分保障が手厚い
など様々な権利が発生してきます。

 

現在、業務委託を行っている企業様もあるかと思いますが、上記の判断基準に照らし合わせ、問題ないかを一度検証してみてください。

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