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社会保険の「51人規模要件」「106万円の壁」、撤廃へ!?

2024年11月9日付の日本経済新聞によると、厚生労働省が月額賃金8万8000円以上とする
パート労働者の厚生年金適用要件と、週20時間以上が適用される企業規模要件を撤廃する
方向で調整に入ったと報道されています。

 

■106万円の壁とは

2024年の衆議院選挙以降、にわかに取り沙汰されている106万円の壁とは何を指すのでしょうか?
これは社会保険の加入可否が分かれる要件の一つを「壁」と呼称しているものになります。

2024年10月より、厚生年金被保険者51人以上が在籍している企業では社会保険の加入要件が
拡大されています。その1つの要件が「月額賃金88,000円以上の従業員である」ことです。

これを年間賃金に換算すると月額88,000円×12か月=年間1,056,000円となりますので、
106万円の壁と呼んでいます。

 

ただし、日本年金機構から発出されている「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の
適用拡大Q&A集(令和6年10月施行分)」の問37において「年収106万円というのはあくまで
参考の値です。」と記載されており、106万円を超えたか否かで明確に判断されるものではない
ため注意が必要です。

 

また同Q&Aにおいて月額88,000円の算定対象となる賃金は所定内賃金で判断するとしており、
以下の賃金は判断の対象に含まれないとも記載があります。

 

① 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

③ 時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)

④ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)

この月額要件が撤廃されるというのが、今回の報道されている中身です。

 

■企業規模要件も撤廃か

また厚生労働省は、前述した厚生年金被保険者51人以上という企業規模要件も併せて撤廃する方針を
固めていると報道されています。これらの内容は2025年の通常国会で改正法案を提出する見込みとの事です。

 

■扶養内という働き方の見直しが進む

もし、社会保険の加入可否において月額要件と企業規模要件が撤廃されることになると、「週20時間
未満の勤務」で「年収130万円未満」という条件が社会保険の扶養範囲内で働く方法となるでしょう。

※社会保険加入可否ラインの一つである週20時間以上という労働時間要件は残る見通し。

目前に迫る全企業への社会保険の適用拡大に備えて、
あらためて従業員側・企業側それぞれに今後の働き方を見直す時期が訪れているのかもしれません。

 

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