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採用の際に知っておくべき労働者の年齢制限の話

採用を行うに際し、募集をする求人に「年齢制限」を設けることは原則として禁止されていることは皆様ご存じかと思いますが、例外的に制限が認められている場合もあることもご存じでしょうか。

 

労働者の募集及び採用の際の原則のルールは「個々人の能力、適性を判断して募集・採用することで、労働者一人ひとりにより均等な働く機会が与えられるようにすること」を目的として、年齢を不問としなければなりません。

 

例外として制限が認められる場合は以下に該当する場合です。

出典:厚生労働省『その募集・採用年齢にこだわっていませんか?― 年齢にかかわりなく、均等な機会を ―』リーフレットより抜粋

 

(注) 「例外事由3号イ」のここでいう「若年者等」とは、基本的には、35歳未満の若年者を想定していますが、必ずしも35歳未満に限られるものではありません。ただし、定年を定めている場合、勤続可能期間が極端に短くなるような上限年齢を設定して募集・採用することは認められません(おおむね45歳未満を目安としてください)。

 

【例外として認められる事例とその理由】

例外事由1号・・・・・定年が60歳の会社が、60歳未満の人を募集
⇒理由:定年未満の従業員を募集するため

 

例外事由2号・・・・・18歳以上の人を募集
(労働基準法第62条の危険有害業務または警備業法第14条の警備業務)
⇒理由:労働基準法で年齢を制限されている業務を募集するため

 

例外事由3号 イ・・・35歳未満の人を募集(高卒以上・職業経験不問)
45歳未満の人を募集(要普通自動車免許)
令和○○年3月大学卒業見込みの人を募集
⇒理由:長期勤続を目的とし、募集をするため

 

ただし、気をつけなければならない点として

 

①対象者の職業経験不問とすること
②新卒者以外の者について、新卒者と同等の処遇にすること
③期間の定めのない労働契約とすること

 

の条件がすべてそろっていないと上記の形での募集はできません。

※資格に関しては実務経験を有する資格でなければ、必要な免許資格を定めることも可能です。

 

例外事由 3号 ロ・・・電気通信技術者として、30~39歳の人を募集
(電気通信技術者は、20~29歳が10人、30~39歳が2人、40~49歳が8人)

⇒理由:技術・ノウハウの継承が必要な特定の職種(機械・電気技術者、農林水産加工者・家庭生活支援サービス職業従事者)で特定の年齢層だけ極端に少ない(※前後の年齢層に比べ人数が1/2以下)ため、その層に絞って募集するため

 

例外事由 3号 ハ・・・演劇の子役のため、○歳以下の人を募集
⇒理由:芸術・芸能分野の表現のため、その真実性を担保に年齢を限定して募集するため

 

例外事由 3号 ニ・・・60歳以上の人を募集
35歳以上55歳未満の人を募集(無期雇用・職業経験不問)
(特定求職者雇用開発助成金の対象者として)60歳以上65歳未満の人を募集

⇒理由:60歳以上の募集や氷河期世代に対しての募集など国の施策(特定求職者雇用開発助成金などが挙げられる)に基づいた募集を行っているため

 

例外事由の詳しい内容は、厚生労働省が発行しているリーフレットで確認できます。
『その募集・採用年齢にこだわっていませんか?― 年齢にかかわりなく、均等な機会を ―』

クリックして000708105.pdfにアクセス

採用の際は年齢で判断せず、労働者の能力に注目し、良い人材を獲得することを意識してきましょう。