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就業規則っているの…?知らないと怖い就業規則の話③
就業規則がないと怖いことの第3弾です。今回の怖いこととして「残業命令権の存在」について触れていきます。
◆残業命令権とは
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「残業」という言葉は世間一般に広く浸透していると思いますが、そもそも労働基準法32条では「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」としており、法律上は原則としてこの労働時間を超えて労働させることはできない事になっております。
とはいえ、世の中を見渡しても残業が1分も無い職場の方が絶対数は少ないでしょう。
そこで、労働基準法36条では使用者と労働者代表と書面による協定を締結しその書面を労働基準監督署に届け出ることにより、協定で定める範囲内で1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働させることが可能である旨を定めています。これが36(サブロク)協定と言われる所以です。
「な~んだ、36協定があれば残業させられるじゃん!」
…と思われるかもしれませんが、実はこの発想には大きな落とし穴があるのです。
なぜならば36協定の効果はあくまで労働基準法32条を超える時間の労働(つまり残業)に対する刑事上の免責効果であって、36協定自体に「会社が残業を命令できる権利」は付随していないのです。
ですので、会社が労働者に対し残業を命令するには「36協定を締結し、かつ会社が残業命令権を有する労働契約を結んでいる」という2ステップが必要なのです。
労働契約上の根拠として最も明確なのは個々の労働者の個別的具体的同意(たとえば個別の労働契約書など)ですが、他にも方法があります。
それが「就業規則に記載すること」なのです。
日立製作所武蔵工場事件(最一小判 平3.11.28)では次の通り判示してます。
「使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負う」
残業命令権は意外な落とし穴ですので、就業規則を作成する時や見直しをするときはぜひこの部分が抜けていないかどうか注意して見ることをおすすめします。
もし、就業規則で不安に思われることやご質問がある場合は、いつでもみらいパートナーズまでご相談ください。
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