バックオフィス効率化は人事労務から見直す

バックオフィス効率化という言葉は広く使われますが、人事労務領域だけでも見直せる業務は多くあります。
勤怠管理、給与計算、労務手続き、人事情報管理、承認フローが分断されていると、同じ情報の確認や転記が増えやすくなります。
一方で、ツールを入れることだけを先に決めると、現場のルールや就業規則に合わず、運用が複雑になることもあります。
今回は、人事労務バックオフィスを効率化する際に、どこから見直すべきかを整理します。

効率化前に見る業務

勤怠管理

人事労務バックオフィスの効率化では、勤怠管理の見直しが出発点になりやすいです。
打刻、申請、承認、集計が紙やExcel、メールに分かれていると、給与計算前の確認に時間がかかります。
労働時間を客観的な記録をもとに把握し、未打刻や未承認を早めに確認できる状態を整えることが大切です。
日々の確認を現場管理者と人事労務部門で分担できれば、月末だけに作業が集中する状態も見直しやすくなります。

給与計算

給与計算は、勤怠データ、手当、控除、入退社情報などが正しくそろって初めて安定します。
勤怠と給与が別々に管理され、転記や再計算が多い場合は、効率化の余地があります。
ただし、計算結果だけを自動化するのではなく、前段階の勤怠ルールや申請承認まで見直す必要があります。

労務手続き

入社、退職、扶養変更、社会保険、雇用保険などの手続きは、従業員情報の更新と深く関係します。
手続きごとに担当者や管理表が分かれていると、情報の確認漏れや二重入力が起こりやすくなります。
人事情報をどこで管理し、誰が更新し、どの手続きへつなげるのかを整理することが重要です。
入社時に登録した情報を、勤怠、給与、手続きで繰り返し入力している場合は、情報の持ち方から見直す余地があります。

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分断を減らす考え方

情報の入口をそろえる

効率化を進めるには、従業員情報や申請情報の入口をそろえることが大切です。
メール、紙、Excel、口頭連絡が混在すると、担当者が情報を探す時間が増えます。
申請の受付方法、承認者、更新先を決めておくことで、後続の給与計算や労務手続きへつなげやすくなります。

承認フローを整える

承認フローが曖昧だと、申請の滞留や差し戻しが増えます。
勤怠、休暇、身上変更、各種手続きなど、どの申請を誰が確認するのかを整理します。
人事異動や組織変更があった時に承認者を変更しやすい設計にしておくことも、長期的な効率化につながります。

支援例から見る分断

人事労務バックオフィスの効率化では、実際にどの業務が分断されていたのかを見ると、見直しの優先順位が分かりやすくなります。
みらいパートナーズが支援した、従業員140名規模の航空機器販売業の企業でも、手続き、給与計算、自社処理、外注先への委託が分散し、連絡や管理の工数が大きくなっていました。
その支援では、情報、計算、手続きを人事労務関連システムで一元管理し、手続きワークフローによる個別申請の管理工数削減につながっています。
こうした状況から考えると、効率化は一つの作業を短くするだけでなく、情報の流れをつなぎ直す取り組みとして進めることが大切です。

労務管理

優先順位の決め方

月次業務から始める

効率化の優先順位は、毎月必ず発生する業務から考えると決めやすくなります。
勤怠締め、給与計算、入退社確認、各種申請の確認など、繰り返し発生する作業は改善効果を感じやすい領域です。
月次業務でつまずいている箇所を整理すると、システム化するべき範囲と運用で見直す範囲が見えてきます。

紙やExcelの残り方

紙やExcelをすべてなくすことだけが目的ではありません。
ただし、確認や転記のためだけに残っている書類や管理表は、業務の重複を生みやすくなります。
紙で残す理由、システムへ移す情報、担当者が確認するタイミングを分けて見直すと、無理のない効率化につながります。

導入後の定着

システムを導入しても、従業員や管理者が使い方を理解していなければ、問い合わせや差し戻しが増えます。
操作説明、試験運用、初回締め処理、導入後の問い合わせ対応まで予定しておくことが重要です。
効率化の成果を急いで断定するのではなく、運用開始後に課題を確認しながら改善する姿勢が必要です。
導入後に問い合わせが増えた項目は、操作の問題だけでなく、社内ルールの説明不足や承認フローの分かりにくさが原因になっていることもあります。

まとめ

バックオフィス効率化を人事労務領域で進める際は、勤怠管理、給与計算、労務手続き、人事情報管理のつながりを見ることが重要です。
作業ごとにツールを入れるだけでは、情報の分断や確認作業が残ることがあります。
まずは月次業務や紙・Excelで残っている作業を洗い出し、どこをシステム化し、どこを運用で整えるかを分けて考える必要があります。
人事労務の効率化は、従業員情報の入口から給与計算、手続き、承認フローまでを一連の流れとして見直すことが大切です。
そのうえで、社内だけで整理しにくい労務ルールや給与計算との関係は、専門家の視点を入れて確認すると進めやすくなります。

みらいパートナーズでは、社労士と社内SEが連携し、人事労務バックオフィスの現行運用、規程、給与計算、労務手続きのつながりを確認しながらDX支援を行っています。
ツール導入だけでなく、導入前の業務整理や導入後の運用定着まで含めて効率化を進めたい場合は、実務に合わせた形でご相談ください。

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