
紙の出勤簿や表計算ソフトで勤怠を管理していると、集計、申請確認、給与計算への転記に手間がかかることがあります。
勤怠管理システムを導入すれば、打刻や集計の方法を見直せますが、製品を選んだだけで運用が整うわけではありません。
勤務形態や就業規則、承認の流れを整理しないまま導入すると、かえって現場の手続きが複雑になるおそれがあります。
自社の課題を明確にし、選定、設定、試験運用、本稼働を順に進めることが大切です。
ここでは、勤怠管理システムを導入する際の進め方と、確認したいポイントを解説します。
導入前に何を見直す?
現在の勤怠業務を洗い出す
まず、打刻から月次の締め処理、給与計算へのデータ受け渡しまで、現在の業務の流れを書き出します。
誰が打刻漏れを確認し、誰が残業や休暇の申請を承認し、どの段階で集計値を確定しているかを確認しましょう。
手作業で転記している箇所や、担当者しか分からない処理があれば、導入時に見直す対象になります。
現場、管理者、給与計算担当者のそれぞれから困りごとを聞くと、優先して解決したい課題を整理しやすくなります。
勤怠ルールと就業規則を確認する
システムの設定は、会社の勤怠ルールを前提に行います。
始業・終業時刻、休憩、残業の申請、休日出勤、遅刻早退、欠勤、休暇などの扱いを、就業規則や社内規程と照らし合わせます。
現場で行っている処理が規程と異なる場合は、設定で吸収するのではなく、実態とルールのどちらを見直すかを検討する必要があります。
判断があいまいな部分を整理しておくと、導入後の設定変更や従業員からの質問を減らしやすくなります。
給与計算との流れを確認する
勤怠管理システムの集計結果は、給与計算、社会保険手続き、労働時間の把握などに関わります。
給与の締め日と支払日、勤怠データを確定する日、集計結果を確認する担当者を、あらかじめ決めておきましょう。
残業時間、欠勤控除、休暇、手当の計算に必要な情報が、給与計算へどのように渡るかを確認することも重要です。
勤怠と給与の担当者が別の場合は、データの受け渡し方法と確認責任を共有しておくと、月次業務を進めやすくなります。

自社に合うシステムはどう選ぶ?
働き方に合う打刻方法を選ぶ
オフィス勤務、店舗勤務、工場勤務、訪問先への直行直帰など、働く場所によって適した打刻方法は異なります。
パソコン、スマートフォン、ICカード、生体認証などの方法のうち、従業員が無理なく使え、会社が確認しやすいものを検討します。
打刻方法だけでなく、通信環境が不安定な場所での扱い、打刻を忘れた場合の修正手順も確認しましょう。
不正防止だけを目的に方法を決めるのではなく、従業員への説明のしやすさと日常の負担も踏まえることが大切です。
必要な集計・申請機能を確認する
勤務形態によって、必要な集計や申請の機能は変わります。
シフト、休暇、残業、休日出勤、打刻修正など、自社で使う手続きを洗い出し、対応できるかを確認します。
変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合は、制度に沿った集計ができるかを特に確認する必要があります。
使わない機能が多くても運用は複雑になるため、現在必要なものと将来必要になり得るものを分けて考えましょう。
連携とサポートの範囲を確認する
勤怠データを給与計算ソフトなどへ渡す場合は、必要な項目を出力できるか、受け渡しの作業が現場に合うかを確認します。
連携方法には、データを出力して取り込む方法と、システム同士を連携する方法があります。
どちらの方法でも、初回の締め処理では数値を照合し、意図した結果になっているかを確かめることが欠かせません。
導入時の設定支援、問い合わせ窓口、運用変更への対応など、導入後に利用できるサポートの範囲も選定材料にしましょう。

導入から定着までどう進める?
設定する項目と役割を決める
システムを選定した後は、従業員情報、所属、勤務区分、締め日、休暇、承認経路などを設定します。
人事・労務担当者だけで決めず、現場の責任者や給与計算担当者も交えて、実際の業務に沿って確認することが重要です。
設定担当者、承認者、問い合わせを受ける担当者を決めると、導入作業中の確認先が明確になります。
組織変更や異動があったときに、誰が情報を更新するかもあわせて決めておきましょう。
試験運用で一連の流れを確かめる
本稼働の前に、一定期間の試験運用を行います。
打刻、申請、承認、締め処理、給与計算へのデータ受け渡しまでを実際に試すことで、設定漏れや説明不足に気付けます。
月途中の入退社、休暇、休日出勤、打刻漏れなど、日常的に起こり得る事例も確認対象にします。
従来の集計結果と比較し、差が出た場合は原因を確認してから本稼働へ進みましょう。
案内と見直しを続ける
導入時には、従業員へ打刻方法、申請の期限、修正時の連絡先を分かりやすく伝えます。
管理者には、承認の方法だけでなく、打刻漏れや長時間労働の表示を確認した後の対応も共有します。
開始直後は問い合わせが増えやすいため、よくある質問をまとめ、案内や手順を更新するとよいでしょう。
定期的に運用を振り返り、勤怠ルールとシステム設定が実態に合っているかを確認することが定着につながります。
まとめ
勤怠管理システムの導入では、先に現在の業務、勤怠ルール、給与計算との流れを整理することが重要です。
自社の働き方に合う打刻方法、必要な集計・申請機能、連携とサポートの範囲を比較して選びましょう。
設定後は試験運用で締め処理まで確認し、従業員と管理者への案内を行うことで、本稼働後の混乱を抑えやすくなります。
導入を一度きりの作業にせず、実態に合わせてルールと設定を見直していくことが大切です。
みらいパートナーズでは、勤怠ルールと給与計算の流れを踏まえたシステム選定、設定、運用の見直しを支援しています。
勤怠管理システムの導入を自社の実務に合わせて進めたい場合は、ご相談ください。