フレックスタイム制の勤怠管理には何を設定する?設定項目と運用方法

フレックスタイム制の勤怠管理には何を設定する?設定項目と運用方法フレックスタイム制を導入すると、従業員は一定の範囲で始業・終業時刻を決められます。
しかし、日ごとの勤務時間が異なるため、固定時間制と同じ設定で勤怠を集計すると、遅刻・早退や時間外労働を誤って判定する可能性があります。
制度を正しく運用するには、清算期間や総労働時間を就業規則と労使協定で定め、勤怠管理システムへ反映することが必要です。
今回は、フレックスタイム制に対応する勤怠設定、給与計算へつなげる集計、導入後の運用を具体的に解説します。

フレックスタイムの勤怠管理が難しい理由

時間外労働を日単位だけで判定できない

フレックスタイム制では、3か月以内の清算期間を定め、その期間に労働すべき総労働時間を設定します。
従業員がある日に長く働いたからといって、その日の所定時間を超えた部分が直ちに時間外労働になるとは限りません。
原則として、清算期間の実労働時間と法定労働時間の総枠を基に判定します。
清算期間が1か月を超える場合は、期間全体だけでなく、1か月ごとに週平均50時間を超えた時間も確認します。
固定時間制の残業計算をそのまま使わないことが重要です。

勤務の自由と労働時間管理を両立させる

始業・終業時刻を従業員が決める制度であっても、会社が労働時間を把握しなくてよいわけではありません。
打刻、休憩、深夜労働、休日労働などを記録し、長時間労働や打刻漏れを確認する必要があります。
また、コアタイムを設ける場合は、その時間帯の不在をどのように扱うかを決めます。
遅刻・早退という表示を残すのか、コアタイムへの遅刻などに限定するのかによって、従業員への見え方や申請方法も変わります。

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勤怠管理システムでは何を設定する?

対象者と清算期間を登録する

就業規則には始業・終業時刻を従業員の決定に委ねる旨を定め、労使協定では対象者、清算期間、総労働時間、標準となる1日の労働時間などを定めます。
コアタイムとフレキシブルタイムは、設ける場合に協定する事項です。
システムでは、対象者の雇用区分や所属、清算期間の長さと起算日を一致させます。
清算期間が1か月を超える労使協定は届出も必要になるため、制度の開始日とシステムの適用日がずれないようにしましょう。

総労働時間と過不足を集計する

システム上では、清算期間における総労働時間と実労働時間を比較し、現在の過不足を確認できる状態にします。
月の途中で従業員が不足時間を把握できれば、清算期間の終わりに勤務が集中する事態を避けやすくなります。
ただし、実労働時間が総労働時間を超えた部分と、法定労働時間の総枠を超えた時間は同じとは限りません。
給与へ渡す項目を分け、賃金規程に沿った不足時間の取扱いと超過時間の支払いを設定します。

休暇と例外勤務の扱いを決める

年次有給休暇を取得した日は、労使協定で定めた標準となる1日の労働時間を勤務したものとして扱うため、システムにも対応する時間を登録します。
半日休暇や時間単位年休を併用する場合は、残る勤務時間の扱いと申請単位を確認します。
また、法定休日労働や深夜労働は、フレックスタイム制でも別途把握が必要です。
欠勤、休職、月途中の入退社なども含め、通常の清算だけでは処理できない例外を事前に洗い出しましょう。

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導入時の確認と運用をどう進める?

規程とシステム設定を照合する

最初に、就業規則、労使協定、賃金規程、雇用契約を確認し、制度の対象者と計算条件を一覧にします。
システムの初期設定が自社の清算期間や不足時間の取扱いと異なる場合は、規程側と設定側のどちらを見直すか整理します。
特に、コアタイムの大部分を勤務必須にしたり、フレキシブルタイムを極端に短くしたりすると、始業・終業を従業員が決定する制度の趣旨に合わない可能性があります。
実際の働き方まで確認することが大切です。

清算期間を通した試験計算を行う

試験運用は、数日分の打刻だけでなく、清算期間の開始から終了までを想定して行います。
通常勤務に加え、長時間勤務、休日・深夜労働、有給休暇、不足時間がある例を作り、勤怠集計と給与計算の結果を確認します。
清算期間が複数月の場合は、各月で確認すべき時間と最終月の清算結果も検証します。
差異が出たときは、打刻、勤務区分、法定労働時間の総枠、給与連携のどこに原因があるかを記録して調整しましょう。

従業員と管理職へ見方を説明する

導入後に混乱しやすいのは、日々の勤務時間と清算期間の過不足の違いです。
従業員には打刻方法、現在の過不足、コアタイム、申請が必要な勤務を説明します。
管理職には、勤務時間の長さだけでなく、深夜勤務や休日勤務、月途中の過度な偏りを確認する役割を伝えます。
アラートが表示された場合の対応者と期限も決め、制度や対象者が変わった際は設定と説明資料を一緒に更新することが重要です。

まとめ

フレックスタイム制の勤怠管理では、清算期間、総労働時間、対象者、休暇や例外勤務の扱いを制度とシステムでそろえる必要があります。
清算期間全体の試験計算を行い、従業員と管理職が過不足や時間外労働を確認できる運用を整えましょう。

みらいパートナーズでは、社会保険労務士と社内SEが連携し、就業規則や労使協定、給与計算との整合を踏まえた勤怠管理システムの選定・設定・運用定着を支援しています。
フレックスタイム制の設定や現在の集計方法に不安がある場合は、ご相談ください。

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