カスハラ対策の指針とは?社内ルールに落とし込む手順

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カスハラ対策を始めようとしても、どのような言動を問題として扱い、何を社内で決めればよいのか迷うことがあります。
カスタマーハラスメントに関する指針は、企業が従業員の就業環境を守るために、どのような体制や対応を整えるべきかを考える土台になります。
ただし、指針の言葉をそのまま社内規程へ写すだけでは、現場での判断や報告には使いにくい場合があります。
自社の顧客対応、勤務場所、従業員の役割に合わせ、実際の行動へ置き換えることが必要です。
今回は、カスハラ対策の指針で押さえたい考え方と、社内ルールに落とし込む手順を整理します。

指針ではカスハラをどう捉える?

カスハラに当たる3つの要素

職場におけるカスハラは、顧客、取引先、施設利用者など、事業に関係する者の言動が前提になります。
そのうえで、言動が社会通念上許容される範囲を超え、従業員の就業環境を害しているかを確認します。
この3つの要素をすべて満たすかを見て判断するため、相手の声が大きいことや、苦情が長引いたことだけで一律にカスハラと決めるわけではありません。
現場で判断に迷う場合は、発言内容、要求の目的、対応した時間、従業員への影響を記録して組織で確認することが大切です。

正当な申入れと区別する

顧客からの苦情には、商品やサービスの不備、説明不足、対応の遅れなどについて改善を求める正当な申入れもあります。
要求内容に妥当性がある場合は、まず事実を確認し、必要な説明や対応を行うことが求められます。
一方で、要求の内容に妥当性がない場合や、要求自体は妥当でも暴言、侮辱、脅し、長時間の拘束などが伴う場合は、従業員を守るための対応を検討します。
苦情の内容と伝え方を分けて見ることが、適切な線引きにつながります。

業種や現場に応じて考える

カスハラが起きやすい場面は、対面販売、電話対応、訪問先での応対、医療・介護の現場などで異なります。
店舗では複数人で対応できても、訪問先では従業員が1人になることがあります。
また、予約や契約に関する説明、金銭のやり取り、待ち時間への不満など、業種によって起点となる事情も変わります。
共通の方針を示したうえで、自社で起こりやすい場面を洗い出し、現場別の対応手順を用意すると運用しやすくなります。

人差し指を立てるスーツ男性「!」

指針を踏まえた社内ルールは何を決める?

相談体制を明確にする

従業員が被害を受けたと感じたとき、誰へ相談すればよいかが明確でなければ、問題が表面化しません。
相談窓口、直属の上司、現場責任者、人事部門など、それぞれが担う役割を決めておきます。
相談を受けた担当者は、相談者の話を遮らずに聞き取り、安全に関わる事情がないかを確認する必要があります。
相談内容を記録し、必要な範囲で情報共有する手順まで決めておくと、担当者だけに判断を委ねずに済みます。

対処の内容を具体的にする

社内ルールには、どのような場合に応援を呼ぶか、どの時点で上席者へ引き継ぐか、対応を終了する判断を誰が行うかを盛り込みます。
暴行や脅迫など犯罪に当たり得る言動がある場合には、従業員の安全確保を優先し、状況に応じて警察へ通報することも検討します。
一方で、事実関係が十分に分からない段階で相手を非難すると、対応がこじれる可能性があります。
現場では冷静に事実を記録し、必要に応じて本部や担当部署と連携する流れを共有しましょう。

方針と対応内容を周知する

会社の方針や対応手順は、作成しただけでは機能しません。
従業員向けには、カスハラの定義、相談先、現場で行う初期対応を研修やマニュアルで伝えます。
顧客等への対応方針を示す場合は、従業員を守ることと、正当な意見を大切にすることの両方が伝わる表現にします。
周知の方法は、事業所の掲示、社内ポータル、朝礼、研修など、従業員が確認しやすい手段を組み合わせるとよいでしょう。

ポイント2

社内ルールを現場で機能させるには?

対応の流れを見える化する

緊張感のある場面では、長い規程を読み返す余裕がないことがあります。
そのため、初期対応から報告、引継ぎ、記録までを短い手順にして、現場で確認できる形にします。
例えば、対応者を交代する目安、顧客との距離を取る場面、相談先へ伝える項目を整理しておくと、判断が早くなります。
電話、対面、訪問先など、接点ごとに異なる注意点があれば、補足を加えておくことも有効です。

研修で具体的な行動を確認する

研修では、カスハラの定義を説明するだけでなく、実際に起きやすい場面を想定して対応を確認します。
相手の話を聞く範囲、同じ要求が繰り返された場合の伝え方、上司へ引き継ぐタイミングなどを話し合うと、担当者の迷いを減らしやすくなります。
管理職には、相談者の安全や体調に配慮しながら、事実確認と組織としての判断を進める役割があります。
定期的に研修を行い、現場の声をルールへ反映しましょう。

記録を基に見直す

カスハラに関する相談や対応の記録は、個別事案を処理するためだけのものではありません。
同じ場所や時間帯で問題が起きていないか、特定の手続きで説明不足が生じていないかを振り返る材料になります。
一方で、個人情報や相談内容の取扱いには配慮し、必要な人だけが確認できる管理も必要です。
記録と現場の意見を基に、対応フローや研修内容を見直すことで、ルールを実務に合わせて育てていけます。

まとめ

カスハラ対策の指針は、正当な申入れと従業員の就業環境を害する言動を区別し、組織として対応するための土台になります。
社内ルールへ落とし込む際は、相談体制、現場での対処、方針の周知を具体的に決めることが重要です。
自社で起こりやすい場面を想定し、誰が何を判断して次に引き継ぐかを見える形にしましょう。
運用後も記録と現場の声を基に見直すことで、従業員が安心して働ける環境を整えやすくなります。

みらいパートナーズでは、カスハラ対策の方針づくり、相談体制、現場で使う対応フローの整理を支援しています。
既存の規程や顧客対応とつながる形で整えたい場合は、ご相談ください。

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