カスハラで「訴える」と言われたら?初動対応と記録の残し方

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顧客から「訴える」「弁護士に相談する」と言われると、現場の担当者は大きな不安を感じやすいものです。
相手の言葉に動揺して、その場で返金や謝罪、約束をしてしまうと、後から会社としての対応方針と食い違うことがあります。
一方で、相手が何に不満を持ち、どのような要求をしているかを確認せずに、カスハラだと決めつけることも適切ではありません。
こうした場面では、現場で法的な結論を出そうとせず、事実を記録して組織として対応することが大切です。
今回は、「訴える」と言われたときの初動対応と、企業が整えておきたい記録・連携の方法を整理します。

「訴える」と言われても急いで判断しないのはなぜ?

現場で法的評価を決めつけない

相手が訴えると発言したからといって、直ちに法的な手続きが始まるわけではありません。
また、その発言だけを理由に、相手の要求すべてを拒否したり、反対にすべて受け入れたりする判断も避ける必要があります。
現場の担当者が行うべきことは、相手の発言を受け止め、必要な事実を確認し、会社の窓口へ引き継ぐことです。
法的な評価や今後の対応は、事実関係を整理したうえで、責任者や関係部署が判断します。

要求の内容と経緯を分けて確認する

まずは、相手が何を求めているのかを確認します。
商品やサービスの不備への説明、契約内容の確認、返金や損害に関する要求など、内容によって必要な対応は異なります。
同時に、相手がどのような言葉で要求したか、暴言や脅しがあったか、同じ要求が繰り返されているかも整理します。
要求内容に妥当な部分がある場合でも、伝え方や長時間の拘束が不相当であれば、従業員を守るための対応を別に考える必要があります。

その場で約束しない

担当者が対応を早く終わらせようとして、確認できない事実を認めたり、金銭の支払いを約束したりすることは避けましょう。
その場では、会社として確認したうえで担当者から連絡することを伝え、回答の窓口を一本化します。
相手が回答を急がせる場合でも、事実確認に必要な時間と、後日連絡する方法を丁寧に説明します。
現場担当者が独断で判断しなくてよいルールを作ることが、従業員の負担軽減にもつながります。

人差し指を立てるスーツ男性「!」

初動では何を記録・確認する?

発言と対応内容を具体的に残す

記録には、いつ、どこで、誰が、どのような内容を話したかをできるだけ具体的に残します。
「怒っていた」「理不尽だった」といった評価だけではなく、相手の要求、主な発言、こちらが説明した内容、対応時間を整理することが重要です。
電話、メール、対面などの連絡方法、同席者の有無、録音や映像の有無も確認します。
記録は、後から会社として対応を検討する際だけでなく、同じ相手から再度連絡があった場合にも役立ちます。

安全に関わる事情を確認する

暴言、脅し、来訪の予告、従業員の個人情報に関する発言などがある場合は、安全確保を優先します。
1人で対応を続けず、上席者や周囲の従業員へ連絡し、必要に応じて相手との距離を取ります。
危害が及ぶおそれがあると判断される場合には、状況に応じて警察への通報や相談を検討します。
緊急時の連絡ルートを日頃から決めておくと、現場が迷わず行動しやすくなります。

責任者へ速やかに引き継ぐ

初動の後は、現場責任者、人事部門、法務部門など、社内で定めた窓口へ情報を引き継ぎます。
引継ぎの際には、対応者の感想だけでなく、記録、関連する契約や案内、相手から届いた文書などを共有します。
誰が相手方へ回答するか、追加の事実確認を誰が行うかを明確にすると、重複した連絡や説明の食い違いを防ぎやすくなります。
必要に応じて、法務部門や弁護士に相談するための判断基準も社内で決めておきましょう。

パソコンで説明する様子2

組織として次に何を進める?

回答窓口を一本化する

相手から複数の担当者へ連絡が入ると、説明内容がばらつき、現場の負担も増えます。
事案の内容に応じて、責任者、本部、相談窓口などを連絡先として定め、現場担当者は直接やり取りを続けない形にします。
回答する内容は、事実確認の結果と会社として対応できる範囲を踏まえて決めます。
相手の要求にすぐ応じられない場合でも、確認中であることや、回答時期の見通しを伝えることで、やり取りを整理しやすくなります。

従業員への配慮を続ける

「訴える」と言われた対応者は、自分の応対が原因だったのではないかと不安を抱くことがあります。
上司や相談窓口は、対応の良し悪しをすぐに評価するのではなく、事実確認と安全確保を進めます。
必要に応じて担当を交代し、休憩や休暇を取れるよう配慮することも重要です。
相談後の状況を確認し、同じ相手との接触を避ける必要がないかも検討しましょう。

再発を防ぐためにルールを見直す

同じような要求や発言が繰り返される場合は、説明方法、案内文、契約時の確認、現場の引継ぎ方法に課題がないかを振り返ります。
ただし、会社側に改善点があることと、暴言や脅しを受け入れることは別の問題です。
顧客対応を改善する部分と、従業員を守るために対応を終了・交代する部分を分けて、ルールへ反映します。
事例を基に研修やマニュアルを更新することで、次の現場対応をより安定させやすくなります。

まとめ

カスハラの場面で「訴える」と言われても、現場担当者がその場で法的な結論や金銭的な約束をする必要はありません。
まずは相手の要求と発言、対応経緯を記録し、安全に関わる事情がないかを確認します。
その後は、責任者や関係部署へ引き継ぎ、回答窓口を一本化して組織として対応することが重要です。
従業員の不安に配慮しながら、対応記録を今後のルールや研修の見直しにも活用しましょう。

みらいパートナーズでは、カスハラへの初動対応、相談体制、現場と本部の連携ルールの整理を支援しています。
顧客対応と従業員保護を両立するための運用づくりに迷う場合は、ご相談ください。

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