厚生労働省のカスハラ対策とは?企業マニュアルの活用法

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カスハラ対策を進める際に、厚生労働省が公開している企業向けの資料を参考にしたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
公開資料には、カスハラの考え方、企業が取り組むべき対策、現場で起こりやすい場面への対応例などがまとめられています。
ただし、資料をそのまま配布するだけでは、自社の現場で誰が何をするのかまでは決まりません。
大切なのは、公的な考え方を土台にしながら、自社の顧客対応や勤務環境に合うルールへ組み替えることです。
今回は、厚生労働省が示すカスハラ対策の基本と、企業マニュアルを活用する方法を整理します。

厚生労働省はカスハラ対策をどう示している?

カスハラの定義を確認する

職場におけるカスハラは、顧客、取引先、施設利用者など、事業に関係する者の言動によって生じます。
その言動が社会通念上許容される範囲を超え、従業員の就業環境を害しているかが重要な判断要素です。
顧客からの要望や苦情があること自体を問題とするのではなく、要求の内容や伝え方、従業員への影響を確認します。
定義を理解しておくと、正当な申入れへの対応と、従業員を守るための対応を分けて考えやすくなります。

企業が整えるべき取組を知る

カスハラ対策では、基本方針の明確化、相談体制の整備、現場での対応手順、従業員への周知や研修などが重要になります。
相談を受けた後に誰が事実確認を行い、どのような場合に上席者や本部へ引き継ぐかを決めておく必要があります。
暴言や脅しなど安全に関わる言動がある場合には、従業員をその場から離し、状況に応じて外部機関へ相談する流れも考えておきます。
取組を分けて整理すると、何から準備すべきかが見えやすくなります。

業種別の事情を踏まえる

顧客との接点は、電話、店舗、訪問先、窓口、医療・介護の現場など、業種によって異なります。
例えば、電話が長時間続く場合と、対面で威圧的な言動を受ける場合では、安全確保や応援を呼ぶ方法も変わります。
業種別の資料や事例は、自社の対応を考える際のヒントになりますが、そのまま他社へ当てはめられるわけではありません。
自社で起こりやすい場面を洗い出し、従業員が実行できる手順に置き換えることが大切です。

チェックリストのイメージ

企業マニュアルをどう活用する?

自社の現場に合う場面を選ぶ

企業マニュアルを読むときは、すべての内容を一度に導入しようとするのではなく、自社に近い場面から確認します。
店舗であれば来店客への対応、コールセンターであれば電話の切り方、訪問業務であれば単独行動時の安全確保など、優先課題は異なります。
実際に発生した相談や、現場担当者が不安に感じる場面を集めると、必要な項目を絞り込みやすくなります。
抽象的な方針だけでなく、現場で使う声かけや報告の手順まで考えることが重要です。

既存ルールとの整合を確認する

カスハラ対応だけを新しく作ると、既存のクレーム対応、事故対応、苦情受付の手順と食い違う場合があります。
例えば、顧客からの連絡を誰が受けるか、対応履歴をどこに残すか、緊急時に誰へ連絡するかは、既存のルールと合わせて整理する必要があります。
就業規則や社内規程では基本方針や相談体制を示し、現場マニュアルでは具体的な行動を示すなど、役割を分ける方法もあります。
複数の文書を使う場合は、用語や責任者の名称に矛盾がないかを確認しましょう。

周知と研修に使う

マニュアルは、相談窓口や対応基準を従業員へ周知するための材料になります。
しかし、文書を配るだけでは、緊張感のある場面で行動に移すことは難しいものです。
想定される場面を基に、最初に誰へ連絡するか、対応を交代する目安は何か、どのように記録するかを研修で確認します。
管理職も含めて同じ基準を共有することで、対応者による判断のばらつきを抑えやすくなります。

指を立てるスーツの女性

マニュアルを現場に定着させるには?

対応フローを短く示す

現場で使う資料は、長い説明だけでなく、初期対応から報告までの流れを短く確認できる形にすると便利です。
例えば、相手の要求を確認する、暴言や脅しがあれば応援を呼ぶ、記録する、責任者へ引き継ぐといった順序を整理します。
ただし、すべての事案に同じ対応が適するわけではないため、判断に迷う場合の相談先も明記しておきます。
電話、対面、訪問先など、必要に応じて接点別の補足を加えることも有効です。

相談を受けた後の対応を決める

従業員が相談した後に会社がどのように対応するかが分からなければ、窓口は機能しにくくなります。
相談内容の記録、事実確認、責任者への報告、相手方への対応、相談者への経過共有までの流れを決めます。
相談者の安全や体調に配慮し、必要に応じて担当変更や休憩を取れるようにすることも重要です。
相談内容を適切に扱い、相談者を責めない姿勢を示すことで、早めの相談につながりやすくなります。

定期的に見直す

カスハラ対策は、資料を作成した時点で終わりではありません。
対応記録や現場の声を基に、分かりにくかった手順、連絡が遅れた原因、想定していなかった場面を振り返ります。
法改正や指針に関する情報が更新される場合もあるため、古い資料の内容だけに依存せず、最新の公的情報を確認することが必要です。
定期的な見直しを続けることで、マニュアルを現場で使える内容に保ちやすくなります。

まとめ

厚生労働省の公開資料は、カスハラの考え方や企業が整えるべき体制を確認するための有用な出発点です。
活用する際は、自社で起こりやすい場面を選び、既存の規程や顧客対応ルールと整合させることが重要です。
相談窓口、現場対応、記録、責任者への引継ぎを具体的に決め、研修で共有しましょう。
運用後も現場の声と最新情報を基に見直すことで、従業員を守る実効性のある対策につながります。

みらいパートナーズでは、公的資料を踏まえたカスハラ対策の方針づくりや、現場で使うマニュアル・相談体制の整備を支援しています。
自社の既存ルールとつながる形で見直したい場合は、ご相談ください。

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