病院の勤怠管理システムはどう選ぶ?複雑な勤務に合わせるためのポイント

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病院では、医師や看護師、事務職などが異なる勤務形態で働き、夜勤や宿日直、複数部署での勤務も発生します。
そのため、病院特有の勤務ルールを整理せずにシステムを導入すると、実態に合わない集計や給与計算の誤りにつながりかねません。
大切なのは、多機能な製品を選ぶことではなく、病院の勤務ルールを整理し、システムの設定へ正しく反映することです。
今回は、病院の勤怠管理が複雑になる理由、システム選定で確認したい機能、導入を定着させる手順を解説します。

病院の勤怠管理が複雑になる理由

多職種で勤務ルールが異なる

病院では、医師、看護師、医療技術職、事務職など、職種によって所定労働時間や休憩、シフトの組み方が異なります。
同じ職種でも、病棟と外来、常勤と非常勤では勤務パターンが変わることがあります。
一律の集計設定を当てはめると、本来は通常勤務である時間を時間外労働として扱ったり、必要な割増計算を漏らしたりするおそれがあります。
まずは雇用区分や職種、所属ごとの勤務ルールを一覧にし、どの条件で集計を分ける必要があるか確認することが重要です。

夜勤と宿日直の扱いが分かれる

夜勤と宿日直は、院内に滞在する時間帯が似ていても、労務管理上の扱いが同じとは限りません。
宿日直について許可を受けている場合でも、実際の勤務が許可された内容に沿っているかを確認し、適切に管理する必要があります。
急患対応などで通常の業務に従事した時間を、すべて宿日直として一括処理する設定は避けなければなりません。
勤怠データ上で勤務の種類と実労働時間を区別できるようにし、申請や確認の手順も定めておくことが求められます。

複数部署や兼務が発生する

職員が複数の病棟や施設を行き来したり、本務とは異なる部署を応援したりする病院では、勤務場所と労働時間の紐づけも課題になります。
打刻場所だけで所属を判定すると、応援勤務や直行直帰を正しく集計できない場合があります。
また、部署別の人件費を把握したいときは、勤務時間をどの単位で配賦するかも決めなければなりません。
本人が勤務区分を選ぶのか、予定シフトから自動判定するのかを整理し、現場の操作負担と集計精度のバランスを取る必要があります。

医者

勤怠管理システムでは何を確認する?

勤務形態に合う打刻とシフト

打刻方法は、パソコンやスマートフォン、ICカード、生体認証などから、職員の動線と情報管理の方針に合うものを選びます。
病棟など共有端末を置きやすい場所と、訪問診療など院外で勤務する場面では、適した方法が異なります。
シフト管理では、日勤、準夜勤、深夜勤などの勤務パターンを登録できるか、勤務予定と実績の差を確認できるかがポイントです。
ただし、打刻手段を増やし過ぎると運用が複雑になるため、例外時の記録方法も含めて必要な範囲に絞ります。

時間外労働と申請の管理

診療に従事する勤務医には、2024年4月から時間外・休日労働の上限規制が適用されています。
個人の上限には副業・兼業先の労働時間も通算されるため、院外勤務の申告・確認方法も整える必要があります。
システムでは、始業・終業の客観的な記録に加え、予定との差や時間外・休日労働の累計を確認できることが重要です。
時間外勤務や打刻修正は、承認者と人事労務担当者が確認する段階を定め、アラートへの対応期限も決めましょう。

給与計算へつながる集計

勤怠管理の目的は打刻を集めることだけではなく、確定したデータを正しく給与計算へつなげることにあります。
職種や勤務区分によって夜勤手当、宿日直手当、時間外割増などの条件が異なる場合は、勤怠側で保持する項目と給与側で計算する項目を切り分けます。
データ連携が可能でも、項目名や計算単位が一致していなければ、手作業による修正が残ります。
現在の給与規程や賃金台帳と照らし合わせ、通常勤務から例外勤務までテスト計算を行うことが欠かせません。

うーんと悩む女性看護師

病院への導入を定着させる進め方

現行ルールと規程を整理する

製品比較を始める前に、就業規則、賃金規程、雇用契約、勤務表、申請書などを集め、実際の運用との違いを確認します。
長年の慣行によって、規程に書かれていない締め処理や部署独自の申請が存在することもあります。
曖昧なルールをそのままシステム化すると、設定が複雑になり、導入後も手作業が残ります。
法令や規程に合わせて統一する運用と、職種の事情から分ける運用を整理したうえで、設定要件を固めることが大切です。

職種別に試験運用する

全職員への一斉導入では、設定の不備や操作上の疑問が同時に発生し、担当者へ問い合わせが集中しやすくなります。
代表的な職種や部署を選び、実際の勤務表と打刻で試験運用すると、日付をまたぐ勤務、休憩、応援勤務、申請経路などの問題を早期に把握できます。
月次の締め処理と給与計算まで一連の流れを確認し、旧来の集計結果との差が生じた場合は原因を特定します。
修正内容を記録してから対象部署を広げることで、手戻りを抑えられます。

現場への説明と見直しを続ける

定着のためには、操作方法だけでなく、なぜ打刻や申請が必要なのかを職員と管理者へ伝えることが重要です。
打刻漏れへの対応、勤務予定の変更、端末障害時の記録など、起こりやすい場面ごとに手順を示すと迷いを減らせます。
導入後は、修正申請の件数や締め作業にかかる時間を確認し、特定の部署で例外が多ければ設定や説明を見直します。
勤務制度や給与条件が変わったときに誰が設定を更新するかも決め、システムを継続的に管理できる体制を整えましょう。

まとめ

病院の勤怠管理システムは、打刻のしやすさだけでなく、多職種の勤務形態、夜勤と宿日直、時間外労働、給与計算とのつながりまで確認して選ぶ必要があります。
導入前に規程と現場運用を整理し、職種別の試験運用を経て設定を調整することが、正確な集計と定着につながります。

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